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最近、妊娠中の適切な体重増加量に対しての変更がありましたので変更後の体重増加量について解説いたします。

妊娠中の体重増加は妊娠前の体格で異なります。
妊娠前の体格についてはBMI(Body Mass Index:体重(kg)÷身長(m)÷身長(m))で評価します。
妊娠中の体重増加量の目安は下の図のようになっています。

“ふつう”の体格の妊婦さんの妊娠中の体重増加の内訳として、以下のようになっています。
胎児:3kg
付属物(胎盤、臍帯、羊水など):1.5kg
母体の構成成分:6kg
循環血液量など:1.5kg
(非妊時よりも40~45%増加する)
脂肪:3kg
蛋白質:1.5kg
赤ちゃん由来の体重増加は約4.5kgであり、それ以外は母体由来の体重増加であることが分かります。
適正範囲内の体重増加が、より良い妊娠生活や良い安全な分娩につながります。
最近の報告(DOHaD説)では、低出生体重児や巨大児で出生した赤ちゃんは、成人になって糖尿病や高血圧高脂血症などのメタボリックシンドロームを発症するリスクが高いことが報告されています。
赤ちゃんのためにも、妊娠中の適切な体重管理は重要です。
では、体格別の適正な体重増加と、適正でない体重増加に伴うリスクについて解説していきたいと思います。
妊娠中の体重増加は、10~13kgが好ましいです。
体重増加が少ない場合
赤ちゃんが十分に大きくならなくて、低出生体重児(2500g未満)を出産するリスクが上がります。
体重が増えすぎた場合
赤ちゃんが大きくなりすぎたり、分娩の際の出血量が多くなる傾向があります。また、帝王切開分娩の可能性も高くなります。
ふつうの体格の妊婦さんでも、妊娠前のBMIが1増加するごとに、巨大児出産のリスクが約1.5倍、帝王切開分娩や分娩時大量出血のリスクが約1.1倍増加します。
妊娠中の体重増加は、
BMIが25.0~30.0の場合 :7~10kg
BMIが30以上の場合 :5kg未満
が好ましいです。
肥満の妊婦さんは、もともと妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病のリスクが高いです。
また、巨大児や帝王切開分娩のリスクも高いことが報告されています。
適切な範囲内の体重増加を保つことで、これらのリスクを抑えられる可能性があります。
ちなみに、肥満の妊婦さんの場合には体重増加が少なくても低出生体重児のリスクは上がりません。
妊娠中の体重増加は、12~15kgが好ましいです。
やせの妊婦さんは、切迫流早産、貧血、低出生体重児分娩のリスクが高いです。
体重増加が少ない場合(10kg未満の場合)
赤ちゃんが十分に大きくならなくて、低出生体重児(2500g未満)を出産するリスクが上がります。
体重が増えすぎた場合
帝王切開分娩のリスクが上がります。
妊娠中の食事の摂取カロリーの目安は
標準体重(身長(m)×身長(m)×22)×30+付加カロリー で計算します。
※付加カロリー:妊娠初期(16週まで)・・・50kcal
妊娠中期(28週まで)・・・250kca
妊娠後期(28週以降)・・・450kcal
授乳中 ・・・ 350kcal
身長が160cmの妊婦さんの場合には、
妊娠初期が約1700kcal
妊娠中期が約1900kcal
妊娠後期が約2100kcal
授乳中が約2000kcal
となります。
食事の内容などについては、国立健康・栄養研究所のサイトが詳しく記載してあるので、ご参照ください。

今回の医療コラムは、適切な妊娠中の体重増加について解説しました。
妊娠中の体重増加を適正な範囲内で行うことで、さまざまな合併症のリスクを抑えることができます。
また、低出生体重児や巨大児で出生した赤ちゃんは、成人になって糖尿病や高血圧高脂血症などのメタボリックシンドロームを発症するリスクが高いことが報告されています。
耳の痛い話ではあると思いますが、ご自身のためにも赤ちゃんのためにも妊娠中の適切な体重管理は重要ですので、適正な体重管理頑張りましょう!!
北くまもと井上産婦人科医院
院長 井上 茂

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