ブログ
Blog
Blog
目次
妊婦健診の目的は、妊娠や分娩に影響するような合併症(気管支喘息、脳血管障害、心臓病、腎炎などの腎臓疾患、肝疾患、全身疾患(高血圧、糖尿病、膠原病、自己免疫疾患)など)、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、切迫流産や切迫早産、胎盤の位置異常(前置胎盤、低置胎盤)、胎児発育不全などを見つけるために行われています。
妊婦健診の間隔については、当院では以下のスケジュールで行っています。
しかし、上記したような妊娠に影響するような合併症や、前回の妊娠経過から注意深く妊娠経過を観察した方が良いと考えられる場合、正常妊娠経過から逸脱した場合には、より短い間隔で妊娠経過を観察することもあります。
毎回の妊婦健診では血圧測定、体重測定、尿検査を行います。
毎回血圧測定を行うことで、妊娠中の血圧の推移を観察することができます。
具体的には、血圧が高かった場合に元々血圧が高めなのか、妊娠経過の途中から血圧が上がってきたのか、などを知ることができます。
体重測定では、妊娠中の体重増加についての情報を得ることができます。
体重増加については、妊娠中の体重増加について | 北熊本井上産婦人科医院ブログ を見てみてください。
尿検査では、尿蛋白の有無、尿糖の有無を知ることができます。それらから、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病についての情報を得ることができます。
多量の尿蛋白を認めた場合(尿検査で尿蛋白(++)以上)には、注意が必要です。
また、妊娠初期から尿蛋白が出ているのか、妊娠経過の途中から尿蛋白が増えてきたのか、といった情報が尿蛋白の原因や妊娠管理を考えるうえでも重要となります。
尿糖についても、多量の尿糖を認めた場合(尿検査で尿糖(++)以上)には注意が必要です。
しかし、排尿前に甘い飲料を飲んだりした場合には尿糖が出てしまうことがあります。しかし、複数回で尿糖(++)以上が続いた場合には、妊娠糖尿病の可能性がありますので糖負荷検査を行うことを考えます。
このことについて説明するには長くなるので、また別の機会にブログに挙げようと思います。
今回はプロローグとして妊婦健診で毎回行われる検査についておおまかに記載しました。
次回からは、それぞれの妊婦健診の目的についてシリーズで記載していきたいと思います。