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4回目の妊婦健診は妊娠20週~23週で行われます。
当院ではこの時期に1回目の胎児スクリーニング検査を行います。
通常の妊婦健診での超音波検査よりも詳しく赤ちゃんを観察するために超音波検査に時間を要しますので、妊娠20週前後に予約を取って受診していただいています。
では、4回目の妊婦健診の内容について解説していきます。
当院で行っている胎児スクリーニング検査では、以下のような内容を確認しています。
頭蓋内の対称性、視床、側脳室、透明中隔などが正常であるかを確認。
小脳の大きさ、大槽(小脳の後側のスペース)が広くないかを確認。
顔面の対称性、眼窩、鼻、口唇を確認。
肺:胸腔内に異常な腫瘤などの所見がないかを確認。
心臓:心臓は最も奇形の多い場所であり、また、疾患によっては出生後すぐに特別な処置が必要になる場所ですので細かく観察しています。
四腔断面像
心臓の位置:胸腔内左側に位置する 心臓軸:左方に 45 度程度傾く 心臓の大きさを確認 左右バランス:心室・心房とも左右はほぼ同じ大きさ
心室中隔,心房中隔,卵円孔を確認 下行大動脈は脊柱の左側を走行 肺静脈は左房に還流
Three vessel view:
主肺動脈・上行大動脈・上大静脈の短軸断面が直線上に一列に並んで描出される
血管径は主肺動脈>上行大動脈>上大静脈の順に細くなっている
肺動脈-大動脈-上大静脈の順に並んでいるかどうか、異常な血管がないかどうかについて確認
Three vessel trachea view:
動脈管と大動脈弓が V 字型に合流し二等辺三角形を形成する
動脈管と大動脈弓はほぼ同じ太さか,動脈管がやや太い
カラードップラー法で動脈管と大動脈弓の血流方向は同じことを確認。
大動脈弓の確認:矢状断で大動脈弓と大動脈を確認。
腹囲を測る断面で胃胞の確認。
左右腎臓を確認
臍輪部や膀胱、カラードップラー法にて臍帯動脈が2本であることの確認。
背骨を頸部から仙尾部まで矢状断で確認。
性別を確認します。赤ちゃんの向きによっては見えないこともあります。
長くなりましたが、当院の4回目の妊婦健診では、以上のような項目についてチェックしています。
赤ちゃんの向きによっては、すべての所見を十分に確認することができないことがありますので、確認できなかった項目については5回目以降の妊婦健診で再確認を行っています。