北くまもと井上産婦人科医院

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過多月経について

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過多月経について

過多月経とは

過多月経とは月経量が異常に多いことを指しています。

日本産婦人科学会用語集によると、”月経の出血量が異常に多く、通常140ml以上のものを指す。臨床的には患者の訴えで判断されるため、それほど厳格なものではないが、その結果として貧血に陥っている場合が多い”と定義されています。

しかし、月経量をいちいち測定している患者さんはいないと思いますので、日常診療では”月経中の血液のかたまりの有無”や”生理用パットの交換頻度”などから判断されることが多いです。

目安としては、以下のような症状を認める場合には、過多月経と判断されます。

※過多月経の目安

ナプキンが1時間もたない場合

レバーのような血の塊が多くみられる場合

 

過多月経の原因は?

1.  子宮筋腫

子宮筋腫は過多月経を呈する代表的な疾患で、良性の腫瘍です。

子宮筋腫自体による子宮内膜の変形のため月経量が増えます。

特に子宮内腔に飛び出るタイプの粘膜下筋腫は症状が強く、治療が必要となる場合が多いです。

 

2. 子宮腺筋症

子宮腺筋症とは、子宮筋層のなかに子宮内膜組織が入り込んで子宮筋層が厚くなってしまった状態です。

子宮筋層が厚くなってしまうことで子宮収縮力が悪くなって月経量が多くなります。

 

3. 子宮内膜ポリープ

子宮内膜ポリープは、子宮の内腔にできるポリープです。

月経で脱落することはなく、子宮内膜に突出しているので、その部分の子宮収縮が悪くなり月経量が多くなります。

 

4. 子宮体癌・子宮内膜増殖症

子宮体癌や、子宮体癌のリスクである子宮内膜増殖症は、子宮内膜が厚くなるために月経量が多くなることがあります。

長期間に不正出血や過多月経を認める場合には、婦人科受診をおすすめします。

 

5. 血液凝固障害

血液が固まりにくい場合には月経量が多くなります。

血液が固まりにくい疾患として代表的なものは、特発性血小板減少性紫斑病や血小板無力症などがあります。

婦人科疾患が特になくて、過多月経が続く場合には、上記疾患も考慮する必要があります。

けがをしたときに血が止まりにくいことや、歯の治療をしたときにいつまでも出血が続くなど、出血傾向の症状に心当たりがある場合には是非問診時に教えてくださいね。

 

6. 排卵障害

月経周期の確立していない思春期女性や多嚢胞性卵巣などで起こる無排卵性の破綻出血など、ホルモンバランスでの異常により月経量が多くなることがあります。

 

治療方法は?

1. トラキネム酸の投与

血栓が溶けにくくする作用があり、過多月経に対し効果があります。

月経期間中のみに1日3~4回内服します。

 

2. LNG-IUS(ミレーナ)

子宮内に挿入する子宮内リングで、一旦装着すると約5年間使用可能です。

子宮体癌や粘膜下筋腫、子宮内膜ポリープには使用することができません。

ときどき自然脱落のすることがあり、その場合には他の方法に変更する必要があります。

 

3. 低用量ピル(OC/LEP)

低用量ピルは過多月経への適応はありませんが、子宮内膜を菲薄化させることができるため効果的です。

子宮腺筋症では月経困難症も伴うことが多いので、処方可能です。

血栓症のリスクがあるため、肥満、35歳以上の喫煙者、高血圧、乳がん既往の患者さん、静脈血栓症の家族歴をもつ患者さんには処方することはできません。

 

4. Gn-RHアゴニスト

Gn-RHアゴニストは低エストロゲン状態を持続することで閉経期に近い状態にすることができ、月経を止めることができます。

しかし、骨粗しょう症のリスクがありますので、6カ月間しか使用することはできません。

手術前の術前投与や周閉経期の逃げ込み療法として用いられます。

 

5. 手術療法

手術で子宮筋腫を取り除くことや、子宮自体を摘出をすることで過多月経の治療を行います。

手術が好ましいか、保存的治療が好ましいかは診察を行ったうえで方針を決定いたします。

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