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卵巣では、脳(脳下垂体)から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)の刺激によって卵子を包んでいる卵胞が育ちます。卵胞から卵が排卵し、その後卵管を通って子宮へと運ばれます。
この間に子宮では子宮内膜がエストロゲン(卵胞ホルモン)によって厚くなり、受精した卵が着床する準備ができ上がります。
妊娠が成立しなかった時は、この厚くなった子宮内膜は剥がれ落ちて腟から血液と共に出て来ます。これが月経です。
月経は卵巣で卵胞が育つところから始まります。
卵胞の発育を促す最初のサインは、視床下部から分泌されるGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)です。
GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)が脳下垂体に働き、脳下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)が分泌されます。
FSH(卵胞刺激ホルモン)が卵巣に働き、卵胞が育ち、排卵します。
このしくみのうち、どこか一箇所でも異常があると、月経がきちんと来なくなってしまいます。
脳下垂体と卵巣からのホルモンの分泌には一定のリズムがあり、このひとまとまりを月経周期と呼びます。
卵胞が育ち始めて、排卵するまでは約2-3週間、排卵から月経開始までは約2週間です。
月経周期は、月経の初日から次の月経開始の前日までの期間で、25日〜38日、その変動は6日以内とされ、これを正常周期と呼びます。
正常月経:約1か月の間隔で起こり、限られた日数で自然に止まる子宮内膜からの周期的出血のことを指します。
初経年齢:10~15歳
月経周期(月経の初日から次の月経開始の前日までの期間):25~38日
月経持続期間(出血している期間):3~7日
月経血量:20~120ml
閉経年齢:45~55歳
月経異常
月経周期の異常:25~38日周期で月経が起こらないこと
無月経:周期的な月経が起こるべき年齢の女性において月経がない状態のこと
原発性無月経
満18歳を過ぎても初経が起こらないこと
続発性無月経
これまでにあった月経が3か月以上起こらないこと
希発月経:39日~3か月の周期で月経が起こること
頻発月経:24日以内の周期で月経が起こること
月経持続期間の異常:月経持続期間が3~7日でないこと
過長月経:出血日数が8日以上のもの
過短月経:出血日数が2日以内のもの
月経量の異常:正常範囲内(20~120ml)の月経量でないもの
過多月経:月経量が異常に多いもので、通常150ml以上のもの
※過多月経の目安
ナプキンが1時間もたない場合
レバーのような血の塊が多くみられる場合
過少月経:月経量が異常に少ないもので、通常20~30ml以下のもの
月経の開始及び閉経の異常
早発初経:10歳未満での初経の発来
晩発初経:16歳以降での初経の発来
早発閉経:45歳未満で閉経すること
晩発閉経:56歳以降で閉経すること
今回は月経の定義について書いてみました。
月経にはさまざまなホルモンが関わっており、月経周期の異常や月経開始及び閉経の異常を認める場合にはホルモン分泌異常が関わっていることがあります。
また、月経持続期間の異常や月経量の異常を認める場合には、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなどの疾患が関わっていることもありますので、気になる場合には婦人科の受診をおすすめします。