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月経前の決まった時期に、精神的に不安定になったり、いろいろな症状で困っていませんか?
また、それらの症状はなぜか月経がはじまるとスッキリ消えてしまいませんか?
もしかすると、月経前緊張症かもしれませんよ。
月経のある多くの女性が、月経前の心身違和感を経験しています。
日々の生活に支障をきたさない程度のものは生理的な変化として考えるが、日常生活に支障を来たす程に症状が強い場合では月経前緊張症(PMS:PreMenstrual Syndrome)とされます。さらに症状が強い場合には月経前不快気分障害(PMDD:PreMenstrual Dysphoric Disorder)とされます。
月経前緊張症の症状は、イライラ、のぼせ、下腹部膨満感、下腹痛、腹痛、頭重感、怒りっぽくなる、頭痛、乳房痛、落ち着きがない、憂鬱といったように多様な症状を来たします。
月経前3~10日間に上記したような症状を認め、その症状が月経が開始すると消失することが、月経前緊張症の大きな特徴です。
下記のアドレスのチェックリストを用いると簡単にチェックすることができますよ。
http://w-health.jp/self_check/self_check_08/
もし、このチェックリストで月経前緊張症が疑われた場合には、産婦人科を受診して治療を受けると不快な症状から解放されるかもしれませんよ。
病因については不明な点が多いですが、月経前緊張症の症状発現時期が月経周期に関連していることから、エストロゲンやプロゲステロンの変動が関連していることが強く考えられます。
月経前緊張症を発症する女性と発症しない女性で性ステロイド(エストロゲンやプロゲステロン)のホルモンレベルに差は認めないことから、それらのホルモンに対する感受性に原因があるのではないかと言われています。
月経前緊張症の治療法は、主に漢方薬や低用量ピルとなります。
月経前不快気分障害で抑うつ症状が強い場合には抗うつ薬を用いることもあります。
また、薬を飲むほど症状が強くないのであれば、ハーブやサプリメントを用いることもあります。
1. 漢方療法
漢方医学においては、月経関連疾患は”血”の異常として一つにまとめて考えられ、”瘀血(おけつ)”といわれる血液の巡りの悪さが原因とされています。これらを改善する”駆瘀血剤”が治療の中心となります。
治療効果としては、約6割くらいの方で症状の改善を認めたという報告があります。
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
“虚証”のタイプに用いられます。主に、やせていて色白、虚弱体質でむくみの症状が強い方に用います。
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりゅうがん)
“実証”のタイプに用いられます。主に、冷え、のぼせの症状が強い方に用います。
・加味逍遥散(かみしょうようさん)
イライラとのぼせといった血管運動神経症状と精神神経症状が混在している場合に用います。
2. 低用量ピル(OC・LEP)
低用量ピルは内因性の性ステロイド(エストロゲン、プロゲステロン)を強く抑制し、内因性の性ステロイドの変動を抑制することで月経前緊張症の諸症状を抑えることができます。
3. ハーブ
日本では月経前緊張症では漢方薬を使用することが多いですが、西洋では漢方薬と同じような位置づけでハーブが用いられています。月経前緊張症に効果のあると報告されているハーブとして、チェストベリーがあります。
チェストベリーとは、地中海沿岸などに自生する果実です。
月経前緊張症に効果がある理由としては、チェストベリーのプロラクチン分泌抑制作用が関連していることが考えられています。
4. サプリメント
月経前緊張症の症状緩和が期待される成分として”エクオール”があります。エクオールは大豆イソフラボンの一種です。
エクオールは弱いエストロゲン作用があります。エクオールを摂取することで、黄体期のエストロゲンの過剰な作用を調節して、月経前緊張症の症状が緩和されると考えられています。
月経前緊張症は月経がある多くの女性で認めるものです。
病因については不明な点が多いですが、月経前緊張症の症状発現時期が月経周期に関連していることから、エストロゲンやプロゲステロンの変動が関連していることが強く考えられます。
日常生活に支障を来たすような月経前緊張症については、さまざまな治療法もありますので、遠慮なくご相談くださいね。