北くまもと井上産婦人科医院

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花粉症と妊娠について


妊娠と花粉症について

少しずつ寒さも和らいできて、春の気配が感じられるようになってきましたね。

そうなってくると気になるのが花粉症です。

今年は昨夏猛暑の影響で、熊本県のスギ花粉の予想飛散量が昨年の2倍だそうです。

このグラフをみてみると数年ぶりに飛散量が多いみたいで、スギ花粉症の方はいつも以上に気を付ける必要がありそうです。

 

花粉症の対策方法は?

花粉症は、花粉が鼻や目の中に入ることによって起こります。したがって、花粉が鼻や目に入らなければ、花粉症の不快な症状である鼻水・鼻づまり・目の痒みなどの症状は起こりません。

このグラフにあるように、メガネやマスクをつけることで目や鼻に入る花粉の量をかなり減らすことができるようです。

花粉症によるアレルギー性結膜炎を起こしている状態で、コンタクトレンズを使用すること自体が好ましくありません。

普段はコンタクトレンズの方でも花粉症の季節にメガネに変えるのは、メガネをかけることで目に入る花粉量を減らす効果もあるため、花粉症の症状を改善するには有効と思われます。

室内での花粉症対策としては、帰宅時に家に入る前に衣服についた花粉を振り払うことや、こまめな床の掃除と空気清浄機が有効です。空気中に漂っている花粉は空気清浄機で除去可能ですが、一旦、花粉が床に落ちてしまうと花粉は床にくっついて浮遊しないため、床掃除で除去する必要があります。また、花粉の粒子は小さく掃除機では吸引できない可能性があるため、大変ですが床掃除は水拭きのほうが有効です。

また、掃除の際に換気をするために窓を開放することには注意が必要です。花粉飛散期に1時間窓を全開にして換気すると、およそ1,000万個の花粉が室内に流入してしまうそうです。

 

妊娠中は花粉症はひどくなるの?

花粉症は花粉に対する過剰な免疫反応によって起こされます。

妊娠中は異物である赤ちゃんを自分の体の中に受け入れるために免疫学的にも特殊な状況になっています。

詳しくは専門的な話になるので省略しますが、妊娠中には花粉症の症状は増悪する傾向にあるようです。

また、花粉症は免疫機能の異常によって起こる疾患ですが、免疫機能は遺伝的な要素も持っています。したがって、お母さんが花粉症を含むアレルギー疾患を持っている場合には、赤ちゃんもそれらの疾患を発症するリスクは高いと報告されています。

 

妊娠中の花粉症に対する薬物治療

花粉症の薬物治療については、”鼻水やくしゃみ症状の強さ”と”鼻閉症状の強さ”を組み合わせて行われます。

基本的にはセルフケアとしてメガネやマスクで花粉を回避することが重要です。

 

花粉症に対しては、以下のような薬剤が用いられます。

1) 抗ヒスタミン剤

2) ケミカルメディエーター遊離抑制剤

3) 抗ロイコトリエン薬

4) 鼻噴霧用ステロイド薬

一般的には、花粉症に対しては、第二世代抗ヒスタミン剤+鼻噴霧用ステロイド薬+(抗ロイコトリエン薬)が使用されることが多いと思います。

これらの薬剤は妊娠への影響は少なく、また、授乳への影響も少ないと思われます。しかし、その薬剤が今まで使用されてきた年数や症例数は異なり、それに伴って安全性情報の数が異なるため、詳しくは担当医の先生のお尋ねください。

第二世代抗ヒスタミン剤では、オキサトミド(セルテクト®)、ケミカルメディエーター遊離抑制剤では、トラニラスト(リザベン®)、ぺミロラストカリウム(アレギサール®、ペミラストン®)は妊婦への処方が禁忌となっているため注意が必要です。

 

ところで、抗ヒスタミン剤には、眠気の副作用があるため、車の運転等に影響があり注意が必要です。

特に古い薬剤のため妊婦への処方についての報告が多く、産婦人科で好まれて処方されている第一世代抗ヒスタミン剤(α-クロルフェラミンマレイン酸:ポララミン®)は眠気の副作用が強いため注意が必要です。

今年の春は花粉症の妊婦さんにはつらい季節になりそうですが、この医療コラムが皆様のお役に立てれば幸いです。

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